今週、「成人力、日本が世界一」のニュースが飛び込んできた。

個人的には違和感はない。

下記のニュースにも取り上げている通り、成績下位層が極端に少ないのは、義務教育の充実によるところが大きいと感じている。

ただ、15歳の生徒を対象の学習到達度調査(PISA)でも初回は日本が1位だったが、その後の凋落ぶりを考えると、今後、楽観できるともいえないだろう。

特に不安を感じるのは、義務教育以降の教育に取り組み姿勢の低さと、今まで充実していた、社会に出てからの、終身雇用制に伴う社内教育の充実の崩壊の懸念だ。

両者に共通しているのが、2極化現象、というより、一部のエリート教育の出現と大衆の凋落化現象と言っても良いかもしれない。

そのため、既に不安定な世の中になりかけているが、今後、加速し、世界に誇ってきた治安の良さも揺らいでいってしまうかもしれない。

そうならないために、政治や教育制度も動き出している。

私も微力ながら全力で社会に貢献できるように努めていこうと決意している。



■少ない成績下位者、社会適応力高く

 社会生活で求められる成人の能力を測定した初の「国際成人力調査」(PIAAC(ピアック))で、経済協力開発機構(OECD)加盟など先進24カ国・地域のうち、日本の国別平均点が「読解力」と「数的思考力」でトップだったことが8日、分かった。日本は各国に比べ、成績下位者の割合が最も少なく、全体的に国民の社会適応能力が高かった。また、生産現場の労働者などいわゆるブルーカラーの能力が高いことも分かった。

 この調査は、OECDが平成23年8月から翌年2月にかけ、世界24カ国・地域の16~65歳の成人約15万7千人を対象に実施。日本では男女1万1千人を対象に5173人が回答した。(1)社会に氾濫する言語情報を理解し利用する「読解力」(2)数学的な情報を分析し利用する「数的思考力」(3)パソコンなど「ITを活用した問題解決能力」-の3つの社会適応能力を調べた。

 日本は「読解力」の平均点が500点満点中296点で、OECD平均273点を大きく上回り1位になった。「数的思考力」も、OECD平均269点に対し日本は288点で、2位のフィンランドに6点差の1位だった。

 読解力と数的思考力の得点を「レベル1未満」から「レベル5」まで6段階にわけて分析したところ、日本は下位の「レベル1未満」と「レベル1」の回答者の割合が各国の中で最も少なく、逆に上位の「レベル3」と「レベル4」の割合が最も多かった。最上位の「レベル5」の割合は読解力で4番目、数的思考力で6番目だった。

 職業別にみると、各国では現場作業員や農林水産業者らいわゆるブルーカラーの平均点が、事務職やサービス業などいわゆるホワイトカラーの平均点に比べて明らかに低かった。しかし日本ではブルーカラーのレベルも高く、各国のホワイトカラーと同程度か、それ以上だった。

 一方、「レベル1未満」から「レベル3」まで4段階で評価された「ITを活用した問題解決能力」は、パソコン回答が前提だったため、筆記回答者が多かった日本は「レベル2」と「レベル3」の上位者の割合が35%にとどまり、OECD平均の34%とほぼ同じだった。ただ、パソコン回答者だけで比較した平均点では日本がトップだった。

 文部科学省では、「全体的なレベルが高かったのは基礎基本を重視する義務教育の成果だ。今後もこのレベルを維持し、向上していきたい」としている。